1.難関大学で求められる英語力とは
英語という科目は、保護者の方から見ると「単語を覚え、文法を固め、長文を数多く読む科目」と映りやすいかもしれません。たしかに、一定のレベルまでは、その積み上げが非常に大切です。
ただ、難関大学文系の二次試験を見据える段階になると、英語で問われる力は少し変わってきます。そこでは、単に語彙や文法を知っているかどうか以上に、文章全体の筋道をつかみ、何が主張で、何が補足で、どこが論理の転換点なのかを読み取れるかどうかが強く問われます。
2.「知識を覚える」から「論理を読み解く」へ
近年の英語入試で起きている変化は、出題形式が劇的に変わったというよりも、「何を知っているか」から「知っていることをどう統合して読み、書き、まとめるか」へと、評価の軸が移っていることにあります。が移っていることに本質があります。
単語、文法、長文、要約、和訳、英作文をそれぞれ別の技能として扱うだけでは、難関大学文系の二次試験には十分対応しにくくなっています。
実際の試験では、それらが一つの文章理解の中でつながっており、読んだ内容をどう整理し、どう表現し直すかまで含めて見られるからです。つまり英語は、個別技能の寄せ集めではなく、文章の構造と論理を読む科目へと比重を移しているのです。
3.文章全体の構造を読み取る力が問われるえる力」が問われる
たとえば、長文読解では、単語の意味がある程度分かっていても、文章全体の流れが見えないと得点は安定しません。難関大学文系の二次試験で差がつくのは、一文ごとの意味が取れるかどうかだけではなく、「筆者は何を言いたいのか」「そのためにどの順番で話を進めているのか」を追えるかどうかです。
主張、具体例、反論、譲歩、結論といった文章の役割分担を見抜ける生徒は、長い評論文でも読み負けしにくくなります。
教授シリーズの文系英語読解論の既存資料でも、英語を「抽象的な長文読解、要約、英作文、和訳・英訳をばらばらに扱うのではなく、『構造を読む』という一つの軸でつなぎ直す」ものとして位置づけています。
教授シリーズ資料でも、理系スプリントは「大学知の還元で、重い問題を短時間で処理する」という考え方を土台とし、化学では「反応速度を“確率”で読む」「酸塩基を“化学ポテンシャル”で見る」といった、上位概念による再整理が重視されています。
4.読む・要約する・書く力は、一つの思考でつながる」が得点につながる
要約や記述の問題でも、同じことが言えます。要約で問われているのは、英文を短くする技術だけではありません。重要なのは、「何を残し、何を削るべきか」を判断する力です。
つまり、文章の中で中心となる情報と補足情報を見分けられるかどうかが問われています。自由英作文や和訳も同様で、英語表現の知識量だけで決まるわけではありません。
自由英作文では、思いついたことを並べるのではなく、主張→理由→具体例→結論という論理の骨格を持って書けるかが重要ですし、和訳では、単語を置き換えるだけでなく、英文がどのような意味のまとまりで構成されているのかを理解していることが求められます。
5.英語の成績は「構造を理解する力」で伸びる
この変化は、保護者の方にとって大切な意味を持ちます。お子さまが「単語は覚えているのに長文で点が安定しない」「英文はなんとなく読めるのに記述になると弱い」と感じている場合、それは努力不足というより、知識がまだ“点”のままで、“線”や“構造”になっていないことが多いのです。
逆に言えば、見方が変わると、英語は急に整理され始めます。語彙や文法の学習が不要になるわけではありませんが、それらが文章の論理を読むための道具として結びついたとき、読解の安定感も、要約や英作文の再現性も大きく変わってきます。
6.大学の視点から英語を読み解く力を育てる語読解論
教授シリーズが重視しているのは、まさにこの部分です。英語を「単語をたくさん覚える科目」としてだけ扱うのではなく、大学で用いられる文章理解の見方を高校生にも分かる形に翻訳し、感覚ではなく論理で読む力へ変えていく。
その結果として、難関大学文系の二次試験で求められる、読む・まとめる・書く・訳すという力を、ばらばらではなく一本の軸で育てていく。
既存資料でも、文系英語読解論は「語彙を全部知らなくても、構造で読める」という考え方を掲げ、難問を場当たり的に処理するのではなく、見方の転換によって解けるものへ変えていくことを目指しています。
7.難関大学合格につながる、本質的な英語の学び
難関大学文系の二次試験で求められているのは、特別な裏技ではありません。むしろ、英語をより深く整理し、より本質的に理解することです。だからこそ、これからの英語学習では、単語帳や問題集の冊数だけでなく、「この文章はどういう構造で書かれているのか」「この設問は何を答えさせたいのか」を言葉で説明できる段階まで理解を引き上げることが重要になります。
保護者の方にぜひ知っていただきたいのは、英語の成績向上は単なる暗記量の競争ではなく、読み方と考え方の質を高めることで大きく伸びる分野でもあるということです。
2026年7月12日
スカラーズ・ギルド教授会
清光教育総合研究所 専門部会 高大接続教育研究会
